こんにちは。先日3月5日にイーサリアムクラシックからサイドチェーンとしてCallisto(カリスト)が誕生しました。
今回はイーサリアムクラシックの特徴や誕生したばかりのサイドチェーンカリストについてご紹介します。
概要
イーサリアムクラシックは2016年7月20日にイーサリアムからハードフォークした仮想通貨で、通貨単位はETCとなっています。
イーサリアムクラシックの時価総額は2018年3月現在17位ですので、人気はまずまずというところでしょうか。イーサリアムが時価総額2位であることから比べると少し人気が低いといえるかもしれません。
DAO事件後のハードフォークによって誕生
ハードフォークは、ブロックチェーンの大きな仕様変更の際に行われます。
イーサリアムクラシックの場合、イーサリアムプラットフォーム上で動いていたDAOというプロジェクトに脆弱性があり、不正に50億円ほどのイーサリアムが送金されてしまいました。
この不正を修正するために「送金が行われる前の状態までブロックチェーンの情報を巻き戻す」という大きな変更が行われました。こうしてハードフォークが行われたわけですが、一部の人々は「不正の修正」は「台帳の改ざんである」として、新しいイーサリアムについて拒否を示したのです。
そこで、イーサリアムクラシックが「不正の修正が行われなかった場合のイーサリアム」として誕生することとなりました。こうして現在以下の2つのブロックチェーンが存在しています。
- イーサリアム(50億円の送金がされる前の状態に巻き戻されたブロックチェーン)
- イーサリアムクラシック(50億円の送金がされたままのブロックチェーン)
イーサリアムクラシックの値動き
イーサリアムクラシックの誕生から現在までのチャートとなります。
このチャートだと少しわかりづらいですが、イーサリアムクラシックとイーサリアムの値動きはある程度連動しているようですね。もともと同じ通貨であり、特徴が似ていることも関係しているのでしょう。
主な出来事をまとめてみました。
- 2017年11月13日:香港でのイーサリアムクラシックサミットが開かれ、その際に高騰しました。
- 12月:イーサリアムクラシックの半減期(マイニングの報酬が半分になる)により値上がり
- 2018年1月:コインチェック騒動により仮想通貨全体の価格が下落
- 2月、3月:ハードフォーク・カリストの発表により値上がり
直近だと、3月のハードフォークによりカリストが自動的に付与される事から、ハードフォークに向けて多くの人が購入し、ハードフォーク後に値下がりしました。
ちなみにこちらがイーサリアムのチャートとなります。
2016年7月にイーサリアムクラシックが分岐したわけで、当時としては激しい値動きをしていたようですが、最近の値動きの激しさに比べるとそこまで大きいものだとは感じられませんね。
通貨としての特徴
イーサリアムクラシックはイーサリアムとほぼ同じような特徴を持っています。
いくつか見ていきましょう。
Code is Law(コードが法律)
イーサリアムクラシックにはコードをとても重要視するという側面があります。
そもそもDAO事件の際もコードで作られたプログラムを無理やり修正するという変更を行ってしまい、それを嫌って当時のイーサリアムから分離したので、このような理念をもつのは当然と言えるでしょう。
スマートコントラクト
ブロックチェーン上で契約内容を記述することができます。
管理する人がいなくても契約がプログラムで自動的に実行されるという点が今後ビジネスなどでも利用される可能性が高く、将来性が期待できます。
イーサリアムとの違いとしては、通貨自体がイーサリアムに比べて安いので、利用する際の手数料(Gas Fee)が比較的安いという違いがあります。
今後IoTに特化
イーサリアムと似たような点が多いため、イーサリアムの下位互換のような扱いをされてしまうことが多いイーサリアムクラシックですが、差別化も考えられているようです。
具体的にはIoT(Internet of Things)に特化するという方針があります。
IoTとは、現実に存在するモノとインターネットを組み合わせて活用するという発想です。
例えばハウス栽培の植物に湿度や温度に応じてインターネットを通じて自動的に適切な水、肥料を散布する、などがその一例でしょう。
イーサリアムクラシックの開発チームはIoTフレンドリーな仮想マシンの開発に取り組んでおり、今後が期待できますね。
サイドチェーンとしてCallisto(カリスト)が誕生
3月5日イーサリアムクラシックのブロック数が5500000blockに達したときにサイドチェーンとして「Callisto」が誕生しました。
カリストの特徴について
カリストはイーサリアムクラシックのスケーラビリティの問題(利用者が多くなり、取引手数料や取引にかかる時間が長くなってしまう)を解決するために作られました。現時点ではまだテスト的な利用のされ方をしているようですね。
サイドチェーンのカリスト(Callisto)で使われるCLOはまず無料で配布(エアドロップ)される予定となっています。
そのカリストですが、いくつか特徴をあげてみますね。
-
- 通貨はCLO。
- Cold staking protocolによりCLOを1ヶ月以上保有していると配当が付与される。
- サイドチェーンとしてイーサリアムクラシックのブロックチェーンとカリストブロックチェーンどちらもスケーラビリティを高められる。
- カリストのスマートコントラクトを利用するため、イーサリアムクラシックのブロックチェーン帯域幅を簡素化できる。
(参考:ホワイトペーパーhttps://drive.google.com/file/d/16sW_0YajCedBdLvr9jmgJqE9L-SzuYKq/view)
エアドロップについて
エアドロップとはその通貨の普及を図って特定の条件の人に自動でトークンを配布するイベントです。
3月5日Callistoが誕生した時点で1ETC保持している毎に自動的に1CLOトークンが付与されました。
また、国内の取引所にETCを保管していた場合、CLOを受け取れない可能性があります、対応している取引所やウォレットに保管するようにしましょう。
CLOが受け取れると公式に保証されているのはClassicEthereWalletとなります。(参考:公式サイトhttps://callisto.network/)
イーサリアムクラシックのデメリット
もともとイーサリアムから分岐して作られた通貨なので、何をなすにもまずイーサリアムと比べられてしまいます。実際DAO事件の際に多くのユーザー・開発者がイーサリアムのハードフォークを支持したため、開発基盤・利用者数もかなり差があります。
イーサリアムと似た性質を持っていますが、イーサリアムとイーサリアムクラシックどちらか購入するとしたら、「Code is Law」の考え方によっぽど共感しなければ、時価総額、市場規模の面からもイーサリアムを購入する人が多いでしょう。
また、イーサリアム、イーサリアムクラシックともにDApps(分散型アプリケーション)を動かすプラットフォームとしての側面が強いです。
この場合も、ノウハウや既存情報、ユーザー数の多いイーサリアムが利用されると考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
イーサリアムクラシックはイーサリアムと比べられてしまうことが多いですが、IoTの分野や、ハードフォークしたカリストを見ていると差別化をしっかりと視野にいれているようです。
今後どのようなサービスが利用できるようになるか楽しみですね。
特に仮想通貨とIoTの分野に興味がある人はIoTに強みのある仮想通貨IOTAとともにチェックしておくとよいでしょう。
コメントを残す