こんにちは。今回はDashコインについてご紹介いたします。
この記事を読むことで、匿名性に強みを持った仮想通貨Dashについてざっと理解することができますよ。
概要
通貨名 | Dashcoin(ダッシュコイン) |
通貨略称 | DASH |
公開年月日 | 2014年1月 |
発行上限数 | 22,000,000 |
取扱い国内取引所 | コインチェックが取扱中止したため、国内ではなし |
取扱い海外取引所 | bitfinex(ビットフィネックス)、binance(バイナンス)、Kraken(クラーケン)、poloniex(ポロニエクス)など |
公式サイト | https://www.dash.org/ |
時価総額ランキングでは6月上旬現在のところ13位程度となっています。
もとはDarkという名前だった
Dashコインの名前ですが、以下のような変遷を遂げています。匿名性に強みがあるということで、「Dark」の名前を冠していましたが、ネガティブな印象もあったためか、最終的にDashという名前に変更しています。
Xcoin(2014年1月)→Darkcoin(2014年2月)→Dashcoin(2015年3月)
匿名性に強み
ダッシュコインは匿名性の高さに強みを持っています。
ビットコインの場合、誰が誰に(どのアドレスがどのアドレスに)いくら送金したかということは、こちらのようなサイト(https://blockchain.info/ja)ですぐに確認できてしまうんですね。
当然自分が「いつどこにいくら送ったか」を把握されたくない人は多くいます。
企業同士の取引で「部品の受注先を知られたくない」というような需要が存在することは想像がつきますよね。
ダッシュコインを利用すればそういった他人に知られたくないプライバシーを秘密にしたまま送金することが可能です。
特徴
Dashコインの特徴をご紹介いたします。
匿名性が高いープライベートセンド
Dashコインの最も大きな特徴の一つである匿名性の高さですが、これはプライベートセンドという機能から成り立っています。
プライベートセンドでは送金の際に、マスターノードにてDashコインをプール・シャッフルし、そこから送金先へと送ります。
もう少し具体的に説明すると、あなたの送金したDashコインはまずプライベートセンドによって0.01Dash、0.1Dash、1Dash、10Dashといった単位ごとに細かく分割され、マスターノードに送られます。
そして、同様にDashコインを送りたいと思っている2人以上の希望者が揃った時点で、それぞれの送金希望者のDashコイン(各単位に分割されているもの)がごちゃ混ぜにされ、最終的に送金先のアドレスに送られます。
このような複雑な行程を減るため、送り元アドレスと送り先アドレスを特定することは非常に困難になっています。
さらに、最終的にブロックチェーンに記録される情報としても、「マスターノードから送金された」という情報となるので、送り元も特定されません。
取引スピードが速いーインスタントセンド
ビットコインでは10分となっている取引スピードですが、Dashコインでは大幅に短くなって約2秒となっています。
これがインスタントセンドと呼ばれる機能となります。
インスタントセンドではマスターノードが取引の承認作業を行うので、非常に速い取引の承認が可能となっています。
マスターノード
ここまでで何度か登場しましたが、匿名性の高さや取引スピードを担保しているのがマスターノードとなっています。
ノードはDashのネットワークに参加している利用者(それぞれのコンピュータ)をあらわします。
マスターノードはその利用者の中でも、インスタントセンド、プライベートセンドといった重要な機能を担ったり、ネットワーク上の重要な決定に投票することができるリーダー的なノードなんですね。
以下のような条件を満たしたノードがマスターノードとなることができます。
- 1,000DASH保有している
- 固定IPを保有している
- 24時間端末を稼働できる
ハッシュ関数ーX11
DashはX11とよばれるハッシュ関数を利用しています。
これは11種類のハッシュ関数を組み合わせることで、セキュリティを向上させたアルゴリズムとなっています。
X11は登場直後、ASIC(マイニング専用の集積回路。ASICを有する企業がマイニングを独占する可能性があるため、利用に否定的な意見も多い。)の利用が難しいとされていました。
現在はX11対応のASICが開発されてしまったため、その意味での利点はなくなりつつあります。
イベント
Dashコインで起こっているイベントをご紹介いたします。
KuvaCashへの投資
Dashはジンバブエにて決済サービスを展開しているKuvaCashに6000万円の投資をしています。
KuvaCashはSMS(ショートメッセージサービス)によって携帯電話を利用して決済できるサービスを提供しています。
ハイパーインフレが起こっているジンバブエでは、自国通貨に不安を抱いている人が多いので、Dashコインのような仮想通貨のほうが信頼を得ているわけですね。
Dashエボリューションが6月公開予定!
Dashエボリューションが6月に公開予定となっています。
技術的に知識がなくても(「おばあちゃんでも使える」ような)デジタル通貨にするのがDASHエボリューションのミッションとなっています。
アプリの購入、分散型ファイル共有システム、フレンドリストが利用できるソーシャルウォレットなど、複数の機能を載せた大規模なプラットフォームを予定しているようです。
こちらが公式のページとなっています。動画を見ると雰囲気をつかみやすいでしょう。
https://www.dash.org/evolution/
多くの機能の搭載が予定されていますが、現時点では少し具体性・実現性にかける印象がありますね・・・。
デメリット・懸念点
Dashコインのデメリットや懸念点をいくつかあげてみました。
ライバルが多い
実は匿名性に強みをもった仮想通貨は他にもいくつか存在します。
例えば、モネロやZcashといったコインは匿名性に強みをもった通貨として、Dashコインとともによく名前を挙げられますが、モネロに至っては6月上旬現在で時価総額ランキング14位と、Dashコインの13位に肉薄しています。
Dashコインになにか問題があったらすぐにひっくり返ってしまう可能性もあるでしょう。
(引用:https://coinmarketcap.com/)
日本国内での規制
コインチェックのNEM盗難事件を受けて、金融庁の仮想通貨に対する姿勢はとても厳しいものとなってしまいました。
そういったこともあり、コインチェックは6/18以降、Monero、Zcash、Dash、Augurといった仮想通貨の取りやめを発表しています。
(参考:http://kanpou.npb.go.jp/20180518/20180518h07265/20180518h072650031f.html)
マネーロンダリングや違法な取引に使われる可能性のあるDashコインですが、今後も規制が厳しくなると将来的な地位も危うくなることでしょう。
チャート
2017年2月上旬頃までは20ドルに達しない程度の値で推移していましたが、同年8月末に約400ドル近くまで値を上げました。これは中国取引所「Huobi」でのDashコイン上場が理由ではないかと言われています。
11月初旬までに少しずつ値を下げ、再び200ドル台後半にまで下げた後、2017年末頃まで急上昇し、1400ドル台まで急騰しました。
その後1月〜2月にかけて、ネム盗難事件の煽りを食って450ドルあたりまで値下がりし、2月中旬に少し持ち直しましたが、その後も下がり続け、4月頭には280ドル台あたりまで値下がりしました。
4月下旬頃までに500ドル台まで値上がりしましたが、再び値下がりしていき、6月上旬の現在は300ドル台前後で推移しています。
Dashコインを使ってみた
今回はDashコインを利用することができるMyDashWalletを使ってみました。Webブラウザから利用することが可能です。
インスタントセンド、プライベートセンドを利用したい場合、チェックボックスをクリックして選択できます。
「Generate Transaction」をクリックすると、以下のような表示がされるので、最終的に「Send Signed Transaction」をクリックすることで、送信手続きに入ります。
今回私の環境でインスタントセンドとプライベートセンドを利用したときはまだシステムが不安定なのかエラーが発生してしまいましたが、両方の機能を利用しないで送金した場合でも、かなりのスピードで送金されます。(数分程度)
まとめ
いかがでしたでしょうか。以下に今回の要点をまとめてみました。
- 匿名性、取引スピードに強み。
- Dashエボリューションが6月に公開予定。
- 匿名性を利用して違法な使われ方をする可能性があり、規制が不安。ライバルの多さも懸念点。
匿名性に強みをもった通貨はいくつかあるので、モネロ、Zcashのような通貨との違いを比較すると理解しやすいかもしれませんね。
コメントを残す